木のある風景
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見たかったもの
2007年 08月 30日 |
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AGFA400

芦生(あしう)の森,
ここは”山”ではなくて”森”と呼ばれるのにふさわしいところだった。




僕は重い荷物を背負って険しい峠を越えて
ただ一カ所のテントサイトに辿り着いた。
さすがにこの季節だからだれかはいるだろうかと思ったが,
だれもいなかった。

その日,僕はこの森でとうとう誰にも鹿とリスのほかにはだれにもあうことがなかった。

テントを張り終え夕食をすませるとすぐにあたりは暗闇に包まれた。
ここはおよそすべてのものがディープだけど,闇は深い。
漆黒の闇というのはまさにこういうのを言うのだろうと思った。

なにもすることがないので床に着くことにした。
森の夜は恐怖を感じる。
でもしばらくすると深い眠りに入った。
沢の水の音色が眠りに誘ってくれたから。

夜半に目覚めるともう恐ろしさは感じなかった。
再び僕は深い眠りのなかに…。

まだ暗い4時過ぎには目を覚ました。
朝が来た。
朝が来ることの喜びをながい間,僕は忘れていたことに気づいた。
朝が来ることは喜びなんだ…なんども心のなかで繰り返していた。

急いで朝食をすませると,
上谷と呼ばれる谷の道をゆっくりと進んでいった。
ここは森のなかでももっとも美しい場所の一つ。

どのくらい歩いたころだろう。
朝の光が森のなかに射し込んできた。
いくすじもの光が…

こんな風景をながい間見たかった。
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